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2014.12.11 Thursday | category:-

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地域コミュニティーが支える文化としてのサッカーとエネルギー

1. 1995年ドイツ・プロサッカー「フライブルク」が本拠地にしているサッカースタジアムの屋根に太陽光発電のパネルが設置され、その設置費用の100万マルクはサッカーファンが寄付を集めて捻出した。年間25万kwhの発電でこのサッカークラブの消費量の半分を、そして太陽光温水器も設置し、シャワー・プールの温水の約60%を賄っている。

2. ドイツは2025年までに脱原発を目指して太陽光、水力、風力、バイオガス、コージェネレーションなどの自然エネルギー開発を進めている。約700の電力供給公社と約300のエネルギー協同組合があり、最近は協同組合が増加している。協同組合は地方自治体と連携し、エネルギーだけでなく、水道水、ガス、暖房などを市民に供給する目的を持っている。

3. 1つ具体的な事例を挙げて見よう。ドイツ中部ヘッセン州にあるホンベルク(人口14000人)のエネルギー協同組合の歴史は古く、1920年に設立され電気の供給を始めた。現在、熱電コージェネレーション、再生可能エネルギー等に基づく電力、ガス、暖房を市内に供給している。事業高は約13億円、利用者数は9285件。

ドイツの脱原発の地域電力事業視察報告書より抜粋  前回、サッカーを文化として市民が育てる視点でドイツと日本の比較を試みました。ドイツでは市民が出資や寄付をしてサッカーを育てる視点を持っていること。そして市民が参加し、観戦し、楽しむこと。地域コミュニティーにサッカーが根づいていくよう歴史を育んでいることなどがその特徴として挙げられると思います。市民社会の基本であるエネルギーの確保でも同様の文化が認められます。地域コミュニティーの中で市民が出資して自然の再生可能エネルギーを生産し、地域で消費すること、まちづくりの視点で長年かけてエネルギーを計画的に生産し、エネルギーも文化として育てている姿が浮かび上がります。日本でもドイツのようなエネルギー確保の将来が見通せたらすばらしいと思います。  
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  ワールドカップサッカーも後半戦に入り、1次リーグを勝ち抜いた16カ国がトーナメント戦でしのぎを削っています。日本のサッカーが1次リーグ戦で敗退したことは残念ですがその戦術や監督、選手のパフォーマンスを評価するだけでなく、各国のサッカーをスポーツ文化としてとらえて評価してみることも大切なのではないかと思います。

 例えばドイツのサッカーは「フェライン」という地域に根ざした100年以上の歴史をもつスポーツクラブが全国にあること。またサッカーに限らず多くの種目のスポーツクラブや趣味、社会福祉、文化芸術の「フェライン」がドイツ全国で59万4277(2005年)あり、文化の下支えをしている。これらの活動を企業や行政は多いにバックアップしている。*


 ドイツのサッカーリーグの観客動員数が世界で第1位(2009年)であること、「フェライン」は基本的に免税で会費収入70%(一人当たり150ユーロ/年)補助金10%、寄付金10%、その他10%で運営されているという。1ユーロは138円だからひとりあたり約2万円/年の会費を払って、試合にも足を運び、企業や行政も援助してサッカー文化を支えているのがドイツサッカーなのです。


 ドイツに比較して日本のサッカーの歴史はJリーグが1993年に発足してまだ21年ですが各地方でサポーターも増え、観客動員数も世界第6位となってきています。しかし、いかに地域に根ざしているか、サッカー文化をいかに発展させているか等の視点で評価するとまだまだドイツには及ばない面があります。具体的には会員数とその会費納入額、企業からの寄付、行政からの補助等の面などがあげられます。totoというサッカーくじで資金を賄おうとしていることも再検討してみる必要があるのではないかと考えます。


 16カ国の戦いがこれから続きますがワールドカップを勝敗の面だけでなくスポーツ文化の視点、国民のスポーツ文化への参加と創造、支援の視点から評価してみるとまた違った面で楽しいのではないでしょうか。日本サッカーが負けたと悔やむのではなくこれからどのようにしてサッカー文化を育てていくのかについてみんなで知恵とお金を出していくことが次のワールドカップに向けてのいい準備になるのではないでしょうか。


*「ドイツの地方都市はなぜ元気なのか」高松 平蔵 学芸出版社


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