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2014.12.11 Thursday | category:-

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  小惑星探査機はやぶさが60億kmの旅を終えて2010年オーストラリアの砂漠に着地してから1年半が経過しました。小惑星イトカワから持ち帰った1200個以上の試料の分析が続いていて、その結果から宇宙の誕生の歴史等に関わる様々な新しい発見がこれからの研究に期待されています。

 エンジントラブル、燃料漏れ、軌道の変更等様々なトラブルに見舞われながら2003年の発射から約7年間かけて大気圏に再突入できた日本人の粘り強さや技術力などが世界に大きな感動を呼び起こしました。

 私が一番感動したのはやっと地球大気圏に突入する時に500kgのはやぶさの本体は大気圏突入の際に燃え尽き、はやぶさの体内に(本当に「へその緒」と名付けられているそうですが)電源ケーブルとつながったカプセルだけが大気圏に突入し1万度の熱に耐えその後パラシュートを広げて目指したオーストラリアの砂漠に着地したこと、さらにその着地したカプセルにはへその緒の痕跡が残っていたということです。まるで母体が自分の肉体を犠牲にして赤ちゃんを地球に送り込んだような錯覚を覚えたのです。

 また地球から打ち上げられた直後のはやぶさは地上からの全面的な制御管理にあったが、地球から離れるに従ってコンピューターのプログラムを次々と書き換えていくことにより自立的に制御したり、目的に向かったりするようになり、まるで子供が成長していくような感じであったそうです。 

 どんなトラブルがあってもあきらめないで地球に生還させた原動力はやはり技術力と粘り強い精神力だと思います。




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マラソンで右心室の機能不全に陥るかも

趣味はマラソン。中高年になってから走り始める人も多く私もその一人だ。生活習慣の乱れから中高年以降に肥満は増え、その結果、生活習慣病(糖尿病、高血圧症、脂質代謝異常症)も増えている。この状況を危惧して政府は、「メタボ」という言葉を国民に浸透させ、予防医療への試みの最中で、その対策の柱になっているのが運動だ。これが直接の理由かどうかわからないけど、中高年以降になってからランニングなど持久力競技を始める人は多い。

マラソンをしている中高年なら分かってくれると思うけど、走り始めると記録が気になってくる。最初はフルマラソンを制限時間内に完走することを夢見る。タイムなんか気にしないけど、完走してしまうとタイムを縮めたい欲求が出る。「次は4時間以内で走りたい」、更に「3時間半を切りたい」、そして市民ランナーなら誰もが夢見る「サブスリー」を目指して、しだいに身体活動量は増えていく。

運動習慣は、座っている生活スタイルに比べて、寿命を約7年伸ばす報告があり、適度なエクササイズは死亡リスクを低下させる。しかし、マラソンのような持久競技で記録を狙うアスリートの運動負荷は、冠動脈疾患予防で推奨されている運動量に比べて5〜10倍の強度がある。今までの報告で、心機能の指標として使われている心臓の収縮機能や拡張機能はマラソンランナーでも維持されてる。しかし、マラソンランナーの半数以上で、心筋障害の指標となる血清の心臓トロポニン値が上昇していることが分かっている。

この事実に加え、持久力競技者は、心房細動という不整脈のリスクも高いという報告もあり、マラソンを含め持久力競技が本当に心臓の健康にいいのか疑問が生まれていた。

今日の報告は、この疑問に向けられており私も関心がある内容だ。心臓は血液を全身に送り込む役割の左心室系と肺循環に送り込む右心室系に分けられ、今までの心機能評価の研究では、左心室機能に注目が集まっていた。しかし、強度の高いエクササイズによって、一時的な機能不全に陥るのは右心室ということが新しい研究で明らかになった。持久力競技者にとって右心室機能がアキレス腱になっていると、雑誌European Heart Journalの2011年12月7日に掲載された研究報告(Eur Heart J 2011; DOI:10.1093/eurheartj/ehr397)の主要著者であるAndré La Gerche医師が説明している。

この研究は、よくトレーニングを受けた40名の持久力競技者を対象にしている。彼らの平均年齢は37歳で、90%以上が男性、週に16時間以上のトレーニングをしている。これは一日2時間以上の練習をしていることになり、マラソンで言えば、明らかにサブスリーレベルだ。

血清の心臓性トロポニン値(心筋障害性の指標)とBNP値(心臓負荷の指標)、心エコーによる心機能(心室駆出率)、さらにガドリニウム造影心臓MRI(心筋線維化の指標)を、マラソン、トライアスロン、アルペンスキーなど3時間から11時間の競技直後と1週間後で評価している。

心臓トロポニン値とBNP値の上昇は、右心室駆出率の低下と相関が示されたが、左心室駆出率との相関は無かった。右心室駆出率の低下は、時間が長い競技に参加しているアスリートと最大酸素摂取量が多いアスリートで認めた。それでも一週間後の検査で、右心室機能の評価はすべて正常に戻っていた。さらに、他の被験者よりも競技年数が長かった5人では、右心室近傍の心室中隔に心臓MRIによって心筋線維化が認められた。

La Gerche医師によると、強度の高い持久力競技(マラソンやトライアスロン)の場合、肺動脈圧が全身循環血圧より上昇しており、その圧負荷によって右心室は運動の衝撃に耐え続けなければならないらしい。右心室の負荷が増え、3時間、5時間、8時間、10時間と時間が長くなれば、多大な疲労が蓄積して障害を与える可能性があるのだろう。

この報告の論説に述べられているが、米国とヨーロッパでは、年間500以上のマラソンイベントが開催され、その数は増えている。過去30年をみると、エクササイズの欠如による肥満や疾患は増えているけど、逆にウルトラ長距離なイベント(100km以上)に参加するランナーも増えているため、この研究をきっかけとしてより詳細な研究が必要で、持久力競技の長期的な健康への影響を調べていく必要がある。

今のところ、右心室拡張が健康にどんな影響を与えるか分かっていないけど問題になる可能性がある。動物実験をみれば、強度の高いエクササイズで右心室障害は引き起こされ、危険な不整脈のリスクが高まる。しかし、ヒトにおいて、右心室機能障害を前向きに評価した研究報告はない。自転車競技者の心室期外収縮に関する報告があるぐらいだ。

運動をしなければ長生きできないと私も信じているけど、その運動の量をどのくらいにすればいいのかわからない。私も走り始めた頃、かなりアスリートを意識して記録に拘った。フルマラソンでサブスリーを目指そうとした時期もある。記録のベストは3時間17分ですが、ここから1分ずつ縮めるための身体への負担は自覚できた。練習で疲れた日に胸が躍る感覚に襲われたことがある。ほんの数分だったけど、初めて不整脈を自覚した瞬間だった。実は、その後、不整脈を数度経験した。身体のためにしている運動で体調を壊しては意味がない。記録狙いのマラソンが身体に悪いと判断して記録を諦めた。今はゆっくり心臓に負担がかからないペースで長距離走を楽しんでいる。おかげでここ数年は不整脈の症状が出ていない。今日の報告をみて自分の選択は間違っていないなと思えました。

「40歳からのアスリート」というスローガンを掲げて頑張っていたが、「生涯ランニング」というスローガンに切りかえる時期なんでしょうね。
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